2009年04月14日

関税の悩ましさ

関税は外国から輸入する貨物に課せられる税金です。

経済不況の中、各国の首脳会議では、保護主義に走らないよう協調しようと申し合わせました。

保護主義の例の一つは、為替政策ですが、もう一つが、この関税です。

関税の目的は、国家収入増と自国産業保護ですが、世界中の国がみんなで高関税をかけたら貿易は拡大しませんね。

それこそ、負のスパイラルで、大恐慌の恐れまであります。

そもそも関税は、海外からの安い輸入品で、自国の産業が衰退するのを防ごうとするんです。

でも、これも諸刃の剣で、過保護に守れば守るほど競争力が落ちるし、高い物を国民が買わざるをえないという矛盾が発生します。

つまり、関税は、あると問題、無いと問題という悩ましいものなんです。

ところで、ご存知の通り、日本の高関税品目の筆頭は農産物です。

それでなくても低い国内自給率、国内農業の保護と競争力の両立は簡単ではなさそうです。


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2009年04月03日

アメリカ会計基準

今日、アメリカの株価が急騰しました。

G20の影響もありますが、おおむね、アメリカ会計基準の変更を好感し銀行の財務諸表の改善が見込めることだそうです。

各紙の記事も何ら批判的な記事がありません。

アメリカ会計基準は、ほぼ、国際会計基準と言われ、日本のトップ企業がこぞって取り入れました。

例えば、時価会計、保有している株価が下がれば、ちゃんと財務諸表に反映して株主に公表しなさいとのことです。

日本は、ずっと拒んでいたんです。

何故なら、日本は中小企業が会社数で90%超、従業員で70%超の国なのです。

中小企業事業者は、売り買いの目的で土地や株を持っていません。

下がろうが、上がろうが関係無いのです。(大多数)

でも、世界の経済の中心地アメリカは、自国と取引をする企業に自分たちのルールを押し付けたのです。

そして、ついに自分たちで決めたルールを変えました。

昨日、赤字の会社が明日は黒字になるんですね。

これって許されると思いますか?

繰り返しになりますが、新聞紙面のトップ記事です。(米会計基準変更を好感し株価急騰!銀行株を中心に買い)

ルールを重んじるアメリカが徐々(私は大きいと思うのですが)にルールを変えてきました。

ますます、混迷を深めると考えるのは私だけでしょうか?
ラベル:診断士 国際 経済
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2009年03月04日

日本は金融立国

日本は貿易立国、モノ作りの国と言われております。

平成19年度の国際収支をみましてもチョット違うなと思います。

国際収支には経常収支と資本収支がありますが、経常収支を見てみます。

経常収支には、貿易・サービス収支、所得収支、経常移転の3つがありますが、経常移転は小さいので、残りの2つに注目します。

貿易・サービス収支は、約12兆円です。

一方、所得収支は、約16兆円なのです。

所得収支とは、簡単に言うと、蓄えた外貨を海外に投資して得た配当金などの果実を言います。

つまり、日本は経常収支を見ても、金融立国なのです。

ちょうど、サラリーマンが給与で生計を立てていたのが、定年後に貯蓄の運用配当で暮らしているイメージです。

日本は外需に頼っていて、アメリカがクシャミをすれば日本は風邪をひくと言われてきました。

アジアを中心とした新興国がモノ作りに拠点となりつつあります。

モノ作りを中心とした貿易が日本を支えてきたのは事実でしょう。

でも、実状は大きく変化しており、金融を中心に経済構造は変化しているんですね。

ちなみに、貿易・サービス収支の内、サービス収支は一貫して赤字です。

サービス収支は、大まかに、旅行業や運輸業をイメージしてください。

海外から多くの観光客を呼び込み、サービス収支も黒字転換をはかるべく政策を期待したいものです。

そういう観点からオリンピックの東京誘致には私は賛成です。

いづれにせよ、貿易、サービス、金融のバランスのとれた産業構造が理想と言えそうです。

皆さん、いかがでしょうか。
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2009年01月13日

キング牧師の日

マーティン・ルーサー・キングはアメリカの牧師で黒人運動指導者でした。

1964年にノーベル平和賞を受賞し、1968年白人人種差別主義者の凶弾に倒れました。

“I have a dream”を繰り返し叫んだ、世界史上に残る名演説を残しました。

この演説は映像にも残っていますが、目に涙を浮かべ、力強く語られる姿に聴衆も大歓声で相槌をうっています。

あさっての1月15日はキング牧師の栄誉を称え、その誕生日を「マーティン・ルーサー・キング・デー」としてアメリカの国民の祝日とされています。

民間人の業績を記念した初の国民の祝日でもあります。

同じく同月には、民主党のオバマ氏が黒人初のアメリカ大統領に就任します。

凶弾に倒れて40年後に、この時が来ることを最も喜んでいるのはキング牧師かもしれません。

“I have a dream”

その夢は確実に一歩実現したと言えるでしょう。

私はアメリカの嫌いなところを100個言えます。
でも、好きなところも100個言えます。

とても不思議な国なのです。

そして、dream「夢」という言葉が最も似合う国と私は思うのですが、いかがでしょうか?

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2008年09月28日

国際機関の集積ジュネーブ

WHO世界保健機関、WTO世界貿易機関、赤十字国際委員会など、、多数の国際機関が本部を置くのはスイスのジュネーブです。

イギリスやフランスなどの欧州のメジャーな国ならともかく、どうして、スイスなのか?

その理由は、やはり、永世中立国であることが大きいと言われています。

政治的に偏りがあると、国際会議でも公正・公平な運営ができませんね。

どこの国とも中立な立場で議論できる。これが、大きなメリットです。

ところで、スイスは、もともと4つの地域が集まって成立した国家なんです。

そのため、政治は首都のベルン、経済はチューリッヒで文化はバーゼルです。

そして、外交はジュネーブとなります。

東京一極集中の日本と違い、それぞれの国家機能が各地域にバランスよく分散しています。

ちなみに、ジュネーブの人口は、なんと、たった18万人で、面積が16Kuです。

スイスという国は国連に加盟したのも最近の2002年で、EUにはいまだ加盟していません。

北京五輪が終わり、次なる国際スポーツイベントは、なんといっても、2010年のワールドカップです。

五輪主催のIOCはローザンヌ、W杯主催のFIFAはチューリッヒ。

やはり、どちらもスイス国内に本部があるんですね。
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2008年08月21日

アメリカ大統領選挙

いよいよあと3ヵ月後の11月にアメリカ大統領選挙が行なわれます。

民主党のバラク・オバマ氏と共和党のジョン・マケイン氏との戦いですね。

ところで、他国の事ながら、日本と最も関係の深いアメリカ。

どちらの候補が日本にとってありがたいか。

何をもってありがたいとするか難しいところですが、とりあえず、安全保障と貿易としましょう。

マケイン氏はこの2点については、アジア諸国の中で日本をよきパートナーとしています。

オバマ氏はこの点については全く未知数です。日本に関する言及が少なく、特別な思い入れは無いようです。
まっさらな状態と言えそうです。

現時点では、日本にとってマケイン氏が安心感があります。

日本の政治もいつ総選挙を行なってもおかしくない状況です。

ひょっとすると、日米ダブル選挙の可能性も。あるかな?

ラベル:オバマ
posted by ネット田中 at 18:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 診断士の国際問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする