2010年05月30日

ピーク・エンドの法則

ピーク・エンドの法則とは、あらゆる経験の楽しいと思う記憶は、ピーク時と終了時の度合いで決まるという法則のことです。

ダニエル・カーネマンというアメリカのノーベル学者が提唱しました。

この人、専門分野は経済学と認知科学を統合した行動ファイナンス理論で、アメリカの心理学者であり行動経済学者なのです。

この理論はビジネスや実生活でも生かされている、とても面白い理論と言えます。

たとえば映画などでも、強く記憶に残るのは、最高の見せ場のシーンと、最後のラストシーンですね。

終わりよければすべてよし、という諺がありますが、確かに当たっています。

他にも実生活の中で事例がたくさんあります。

例えばデートです。

散々なアクシデントだらけのデートでも、最高潮に盛り上がる1シーンと最後の別れの場面で良い印象があれば、それが、全ての記憶となるんですね。

逆も真なりで、どんなに途中経過が良くても、最後を誤ると最悪の印象に代わってしまいます。

ビジネスシーンの例で言えばメールや接待会食、商談交渉などがあげられます。

好印象を残しながら、自分と相手のつながりを強くするには、最後のエンドが大切であり、そのピークには感動を与えるサプライズが必要なんです。

印象が薄いと言われる方や頑張っているのに成果につながらなとお嘆きのビジネスマンの皆さんに提案します。

このピーク・エンドの法則を念頭に置いてコミュニケーションの方法やストーリーを組み立ててみてはいかがでしょうか。

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2010年05月10日

ヒヤリハットの法則

ヒヤリハットの法則とは、ある重大事故の背景には29倍の軽微な事故と300倍のヒヤリハットが存在する、という法則です。

発案者は、米国の損害保険会社の会社員だったハインリッヒさんです。

ハインリッヒさんは、数千件の労働災害について調べ、先の法則を統計的に導いたのです。

その後、製造現場などで、この法則を応用して、劇的に事故や災害を減らしたことから、俄然注目されました。

そのためヒヤリハットの法則は、ハインリッヒの法則とも呼ばれています。

実は、この法則の奥深いのは、事故や災害にだけではなく、成功事例にも例えられています。

つまり、大成功は偶然起きるのではなく、大成功の裏には、29倍の小さな成功があり、さらに300倍の成功に導く行動習慣があるのです。

何か行動を起こした時、すぐに結果として現れなくてもあせってはいけません。

ヒヤリハットがすぐに大事故にならないのと同様に、その積み重ねが大事なんですね。

昔、西川きよしさんが、選挙演説で小さなことからコツコツと、という選挙フレーズを思い浮かべました。

古い。とツッコミを入れた人。

貴方も同類ですね。

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2010年05月05日

直接的内部相互補助

直接的内部相互補助という長ったらしい用語は、マーケティング用語です。

対になる商品の一方を安くしたり、おまけにすることによって、最終的に商品を買ってもらうのです。

消費者の気を引き、お徳感を持たせるマーケティング手法ですが、この応用で様々な組み合わせで販売アップにつなげています。

例えば、最近、お馴染みになったのが、スーツ2着セールです。

1着目は通常料金ですが、同時に2着目を購入すると半額と言った激安で販売するのです。

中には、2着目は1000円と言った信じられない価格を付けるケースもあります。

店側が損をしないのかと心配してしまいますが、ご心配ご無用です。

理由は2つあります。

1つ目が、あらかじめ2着セットで売ることを前提にコスト設計されていることです。

そのためキャンペーンではなく、一年中「2着目1000円」で販売している店もありますね。

では、スーツを1着だけしか買わない場合は、お客が損ですね。

でも、その時は割引クーポンを発行したりしてバランスをとっているのです。

2つ目の理由が販売コストの分散です。

折り込みチラシの広告宣伝費、店舗の家賃や店員の人件費などの固定費は、売れなくてもかかりますね。

1着でも2着でも変わらず固定で発生しますので、販売点数が増えれば増えるほど、1着あたりの原価は下がります。

また、売れ残ってしまえば、不良在庫となってしまうので、低価格でも売れた方がいいのです。

ただ、このマーケティング手法を使ったビジネスモデルですが、初めの頃は新鮮でしたが、最近ではどの店も取り入れられて、百貨店でさえも導入されているため、消費者には飽きられ始めています。

そろそろ消費者ニーズをかきたてる別の新手法が求められそすね。



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2010年04月17日

経営と比較優位の法則

比較優位の法則は、もともとは自由貿易に関して生まれた考え方で、経済学者のデヴィッド・リカードという人が18世紀に提唱しました。

1つの国が他の国と比較優位を持つ製品の生産に集中特化して、他の製品は輸入すると、それぞれの国は、より多くの製品を生産したり消費できるという理論です。

リカードが提唱したモデルでは2国2財1要素を仮定しました。

2国2財はわかりますね。

1要素は生産要素のことで主に労働力をさします。

この比較優位の法則は、2国間の貿易だけでなく、いろんな場面に応用されています。

例えば、経営に関してです。

とても優秀な経営者が営業担当者を雇うかどうか思案中です。

営業力に関しても経営者の方が営業担当者より有能でした。

さてどうすればよいか?

答は、経営者は経営に専念し、営業は営業担当者に任せる、ということになります。

一見すると、経営も営業力も、絶対的に優位な能力を持つ経営者がやればよくて、営業担当者を雇う必要はない、となりそうですね。

そうではないと考えるのが比較優位の考え方です。

経営の仕事に関して、経営者と営業担当者との間には著しい能力差があります。

営業力に関して、経営者と営業担当者との間の能力差は経営力の差ほど大きくありません。

このとき、営業の仕事に関して、営業担当者が比較優位にあると言います。

つまり、時間は有限で、体は一つ、自分でこなしていた営業の仕事を担当者に任せれば、その時間を経営の仕事に回せます。

営業の効率は少し落ちますが、それ以上に経営の効率が高まるので、トータルでの生産性は大きくなると考えるのです。

会社には必要のない人はいません。

その人の比較優位な役割を与えることが経営ではないかと思うのです。

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2010年03月21日

ゼロベース思考

「現状」を考慮せずゼロベースで「あるべき姿」に向かってひた走るのがゼロベース思考と呼ばれています。

As is To be 思考とも呼ばれていて、現状の改善ではイノベーションは起こらないとの立場をとっています。

実はこの思考方法ですが実行に移そうとすると簡単そうで、とても難しいのです。

このゼロベース思考への批判もたくさんあります。

現状の厳しさを直視せず、現実感のない理想だけを見つめている。との批判です。

ゼロベース思考では、これまで蓄積してきた経験やノウハウなども、まずは捨て去ります。

なかには、とても有益なものも含まれているかもしれませんが、そこにとらわれていては、白紙状態からの思考ができなくなるからです。

私たち診断士の基本フレームワークに現状分析があります。

SWOT分析に代表される様に、強みや弱み、機会や脅威を明らかにすることから始まります。

そして、強みを生かし、弱みを補い、機会を受け止め、脅威から逃れる方策を立体的に考えて改革を進めます。

お気づきのように、ゼロベース思考とは正反対の思考なのです。

閉塞感がただよう世の中、そのシンプルな考え方で、もてはやされるゼロベース思考ですが、実は、とてもシビアな考え方と言えそうなのです。

 
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2010年02月22日

ピグー効果

デフレで物価が下がると、手持ちのお金の価値が大きくなります。

それによって消費が増えると、唱えたのがピグーという人で、この仮説をその名をとってピグー効果と呼びました。

現在の日本はデフレの真っただ中にいて、消費が冷え込む、デフレスパイラルに入っています。

では、このピグー効果は、全然、的外れじゃないのと思われがちですが、ちょっと違う見方もあるんです。

確かに日本の総世帯の消費は2年連続減少していますが、60歳以上の勤労世帯では、唯一、消費が増えています。

そもそも、日本の個人金融資産1400兆円の過半数が高齢者の蓄えなのです。

ということで、高齢者のお金持ちには、ピグー効果がある?と言えます。

政府も、景気浮揚策として、高齢者から若者へ金融資産の移動を促そうと、相続税や子供への贈与税を軽くしようとしています。

ピグー効果の波及を見込んでかどうかは、さだかではありませんが。


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2010年02月17日

コンサル・リサーチ

コンサルテーション技法の第1弾として「リサーチ」について取り上げます。

コンサルタントは顧客のビジネスを知る必要がありますね。

リサーチは辞書によれば、「調査」とか「研究」となります。

リサーチの情報源と言えば、伝統的には、企業の年報とか、図書館、雑誌、書籍、各種リサーチサービス(有料)です。

その他の方法を述べます。

企業からの直接ヒアリング、競合相手、その従業員、主催セミナー等々、

これぞ王道というものは存在せず臨機応変、ケースバイケースとなります。

ただ、最近の世相を反映してか、「ネット」というのが登場してきました。

何故かというと、その企業のホームページはもとより、業界団体のHP、監督官庁のHP、その業界雑誌のHP、関連口コミHP等など、大部分の情報が得られます。

当然に、リサーチ方法にも昔と変わりネットを無視した情報収集は考えられなくなりました。

ところで、リサーチャーとしての良い例と悪い例をあげます。

良い例としては、

1.知らなければならないことに絞り込まれている。

2.適切なレベルの詳細

3.顧客への価値と対価(コスト、時間、労力)の均衡

となります。

悪い例は多すぎるので1例のみ、

1.信用できない!(情報源が不明、詳細すぎる、反対に一般的すぎる)

となります。

コンサルタントの一分野、リサーチにも奥深いものがありそうです。

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2010年02月06日

業務改善万能ツールのPDCA

PDCAは、計画、実行、評価、改善というサイクルを常に回し続けることによって継続的に業務改善を行う万能ツールなのです。

この考えのはじまりは、ウォルター・シューハートとエドワーズ・デミングというアメリカ物理学者により提唱されました。

Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Act(改善)の頭文字を取ってPDCAサイクルと命名されたのです。

また、提唱者の名前を取ってシューハート・サイクルまたはデミング・サイクルと呼ばれる場合もあるようですが、私は耳にしたことはありません。

PDCAサイクルでひとつ注意点を書かせていただきます。

DOの運用ですが、この段階で修正に気づいても修正してはいけません。

修正しない理由は、Checkの際の基本情報を得るためなのです。

評価を経て改善を行う。

事象によってスピード感は異なれどPDCAサイクルをきちっと回すことが大事なんですね。

日々の仕事をしていく中で常に念頭に置くと良いビジネス理論といえると思います。


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2010年01月13日

ノードストロームと企業文化

ノードストロームは、アメリカはシアトルの一靴屋から全米規模で最先端のファッションを提供する高級百貨店に成長した企業です。

この会社は企業文化を語る上でお手本となっていて、中小企業診断士などの資格勉強などでも登場します。

ノードストローム社の企業理念は、顧客重視です。

今では、どこの会社でも社訓に定番でうたわれていますが、その大多数が儲け主義の綺麗ごとのように聞こえてくるのです。

それを試すのが、企業文化にまで定着するか否かなのです。

あまりに有名なエピソードですが、あえてご紹介します。

とあるお客が不良品のタイヤを返品しにきました。

その店の担当者は即座に代金を返金したのです。

でも、実は、この会社ではタイヤは売っていませんでした。

どういう感想をもたれますか?

顧客とはなんなのか。 

顧客満足、顧客重視とはなんなのか。

反対意見を含めていろんな意見が噴出するエピソードなんですね。

でも、この担当者は、返金したのです!

どうしてでしょう?

顧客重視が企業文化にまで定着した企業が勝ち残ると私は信じております。

いかがでしょうか。


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2009年12月17日

ドバイと加速度原理

リーマンショックに続いてドバイが危なそうですね。

ドバイはアラブ首長国連邦のドバイ首長国です。

2000年代後半の原油高高騰にリンクして急成長しました。

世界中の富裕層に向けての一大リゾート地と化し、とてつもないプロジェクトが次々に立ち上がりました。

まさにバブル投資ですが、なぜ、節度ある設備投資ができないのか?不思議に思う人も多いでしょうね。

それを説明する経済理論が「加速度原理」です。

企業の設備投資行動を説明した理論でアメリカのクラーク博士が提唱しました。

この理論、消費の増加に応じて設備投資を進めていくと加速度がついて、消費が落ち込んだ時に急に止められないことを説明しています。

実際、08年が7%超の経済成長率が、この09年は一機にマイナス成長になる見込みですから、程度の問題はあってもドバイショックによる世界経済への影響は避けられそうにありません。

日本への影響はというと、やはり、多額の融資をしている金融機関が火種となりそうです。




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2009年11月29日

BGMとマーケティング

心理マーケティングというのがあります。

代表例がBGMと売上の関係です。

パチンコ店では軍艦マーチが流れ(今は?古い昔は定番ソングでした。)、高級な喫茶では、モーツアルトの曲が(これも私の思い込みで根拠なしです。)といった感じです。

店の特性を考えずに変なBGMを使うと、効果どころか、逆効果にもなりますので、ちょっと意識していただければと思うのです。

人にとって心地良いリズムは、心臓音と言われています。

これが、基準で効果的なBGMの肝です。

心臓音のリズムを基準に、早いリズムは気分を盛り上げる効果があり、遅いリズムは落ち着いた気分になります。

ですから、大型小売店でも、百貨店ではスローなBGMを選曲し、量販店はアップテンポな曲となります。

割り切って言いきってしまえば、滞在時間を長くして売上アップを狙うならスロー曲、回転率を高くして売上アップならアップテンポということです。

飲食店でも同じで、高級レストランとファーストフードでは違います。

また、応用編では、時間帯によっても変えると効果的な場合が多いようです。

最後の店のテーマソングですが、童謡の音階を真似ると成功するそうな。

どうやら、童謡の音階は親近感を高める効果あるのです。


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2009年10月10日

選択と集中

企業は、ヒトやモノ、お金、情報など、資源を持ちます。

その資源を投入して、企業活動を行うわけですが、どこに、どれだけ投入するかが問題となります。

アメリカのGEが破たんしました。

30年前の感覚でいえば、今のトヨタとソニーを足して3倍ぐらいにした企業の破たんのイメージです。

ただ、世界経済から見れば、たかがGEなんです。

国内で戦っている分には良かったのですが、世界経済の垣根が低くなるほど、戦う相手が増えてきます。

経営資源をどこに投入すのか。

これが、今も、これからも、最大の企業戦略そのものなんです。

日本企業を見ても、東芝は、原子力など社会インフラに経営資源を集中しています。

総合家電の看板は、とうに捨てました。

トヨタも流石にまずいと感じたのか、金融部門から、そっと手を引いています。

そして、最も有名な事例がIBMですね。

ガースナーという経営者がいました。

大型汎用コンピュータの優位性に胡坐をかき赤字に急転落した、IBMを生還への舵をきった救世主です。

何をしたか。

今でこそIT業界では、当たり前のことです。

顧客が望んでいるのは、コンピュータが欲しいのではなく、問題の解決策(ソリューション)なんだ。

メーカーからサービス業への大転換だったのです。

辛いこともしましたね。

当時、世界40万人の社員を半分にしたんですから。

GEの破たんを見て、どうしてもIBMとだぶって見てしまいます。

選択と集中。

当たり前のように言われるようになりました。

でも、結してたやすいことでは無さそうです。

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2009年09月30日

ファブレスとEMS

ファブレス企業というのをご存知でしょうか。

自社で工場を持たないで、他社の協力企業に生産委託しているメーカーのことです。

Fabless(Fabric less)からきた造語ですが、ユニクロが代表格ですね。

生産はしませんが、製品の設計やマーケティング、販売などに特化する、新しいビジネスモデルと言えます。

EMSは、電子機器の製造や設計を担うサービスのことで、1980年代までは受託製造(CM:Contract Manufacturing)サービスと呼ばれていました。

大手のEMS企業は、北米やアジア、欧州の各地域に製造拠点を構えていて、最大手の3社ともなると、売り上げは1兆円を超えるそうです。

薄型テレビで東芝がシェア2位に大躍進して、日本企業で唯一黒字を計上しました。

理由は、EMSの利用です。

自社で生産しない分、マーケテイングに特化して、生産コストを抑えたのです。

消費急減の影響も比較的軽微にすんだのもそのためと言えそうです。

物づくりの形態も随分、様変わりしたものですね。
ラベル:診断士 資格 企業
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2009年09月23日

ドトールとポーターの基本戦略

ドトールコーヒー店を愛用する私としては、安さを一番の判断材料にしています。

コーヒー1杯200円は、お手頃ですね。

マイケル・ポーターは商売の基本戦略を3つにわけました。

コストリーダーシップ戦略、差別化戦略、集中化戦略の3つです。

コーヒー店でいうと、ドトールがコストでスターバックスが差別化、駅ナカ店やホテルが集中化といったところでしょうか。

自分の商売でどれを選択するかは、自分の強みや弱みなどを加味する必要があります。

大量仕入れが可能ならば、コストリーダーシップで、ブランド(老舗なども含む)や立地を強みにするなら、差別化や集中化となります。

この基本戦略ですが、とても分かりやすい理論ですね。

でも、実際、商売で成功している人は、皆、この辺の理屈は肌で理解しています。

商売に絶対はありませんが、中小や個人が商売する場合の基本は、差別化と集中化なんです。

コストリーダーを基本線略に据えるのは、やっぱり大企業となります。

もちろん、3類型は、考え方を示しているだけです。

実社会では、コストも優位にたって、尚且つ、差別化や集中化を行っている中小の会社もたくさんあります。

会社の大小かぎらず、目指す方向は、だいたい一致しています。

それは、オンリーワン企業です。



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2009年09月20日

ピグー効果と退職金

消費行動は、フローの収入だけではなく、ストックの資産に影響される。

イギリスの経済学者、ピグーが主張した理論です。

日本でも実証されました。

2007年問題とも言われました、団塊世代の大量退職、技術伝承に危惧する問題とは別に、その莫大な退職金が消費にまわり、経済効果が高いと論じられていました。

実際に3カ年で約50兆円の退職金が支払われ、年金逃げ切り世代として、年金と退職金で、日本一裕福な世代と言われています。

でも、実際は、期待はずれも極端で、前年実績も下回るほど、お金を使わないのです。

なぜか?

これを説明するのがピグー効果です。

フローの所得(年金、一時退職金)が増えても、ストックの資産が目減りしているからなのです。

株式投資、投資信託、土地建物、など資産が目減りしていて、その逆効果で消費に廻らないと考えられます。

たしかに、この年代層が最も投資に踊らされた世代なんですね。

退職金を差し引いても、手持ち資産の減少を補えないと言われています。

そんじゃ、またもう一回、バブルを!

とんでもないですね。

ハイリターンにはハイリスクが必ず付いて廻ります。

フローの蓄積がストックになる、正常循環が、私は正しいと思うのですが。

いかがでしょうか。




ラベル:診断士 資格 経済
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2009年08月30日

レモンの原理と総選挙

レモンはアメリカの俗語で中古車を意味します。

難しい言葉で<情報の非対称性>というのがあるのですが、ようは、情報が一方に偏ること意味します。

レモンの原理は、それを説明する有名な理論で、アカロフという経済学者が提唱しました。

レモン(中古車)を買うとき、売る人は、よく知っていて、買う人は、よく判らない。

情報の非対称性の例です。

結局どうなるかというと、安くて粗悪な中古車だけが売れてしまうという、不合理な結果になるんです。

保険契約や住宅購入など様々な事象で不合理な結果が起こり得る点で、偏った情報(情報の非対称性)が問題となります。

今日は、衆議院総選挙の投票日です。

候補者の情報を有権者がすべて知ることは不可能ですね。

必ず情報の非対称性は存在します。

でも、関心を持って発信される情報に耳を傾ければ、ある程度の非対称性は解消されます。

一票の重みを感じて投票所に行ってほしいものです。

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2009年08月22日

サンクコスト

サンクコスト(sunk cost)は、経済学用語で埋没費用と訳します。

企業の行動でも、個人の行動でも、合理的な行動をとるための重要な概念なんでね。

個人レベルの事例で、貴方は、見たい映画のチケットを無くしました。

再度、購入して見ますか?

このポイントは、1800円の映画に貴方が幾らの価値を感じているかにかかっています。

無くしたチケット代金1800円はサンクコストです。戻ってきません。

1800円以上の見る価値があると判断すれば、もう一度チケットを購入するわけです。

サンクコストと個人(企業)行動で重要なのは、サンクコストを抱えると意外と合理的な行動をとれないという点にあるんです。

企業行動を例に取るともっとわかりやすいと思います。

ホテル建設に着手しました。総投資予算は10億円でリターンが12億円見込めます。

着手しましたが、不況の波が押し寄せ、リターンが8億円しか見込めません。

やめれば良いのですが、すでに着手した費用が2億円でサンクコストになっています。

わかっちゃいるが、止められない。

予想リターンを強引に水増ししても、建設を続行するんですね。これが。

企業行動は、まだ、監視体制がしっかりしていますので、合理的な行動を取るケースがほとんどですが、自治体の公共事業は、もう、論外という事例が山と見受けられます。

何年もかけて、建設した、道路やダム、すでに数百億円かけて、いまさら止められるか!と政治家さんは平気で言うのです。

でも、数百億円捨てた方が、経済合理性にかなっているんですが。

どうしたものでしょうか。
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2009年08月14日

ナイトの不確実性

経済学者のフランク・H・ナイトは不確実性を2つに分けました。

自動車事故のように過去の統計から推測できるものを不確実性の中でもリスクと呼んだのです。

ご存じ、世界的大不況を呼び込んだサブプライムローン問題ですが、なぜ、金融のプロ達が、そのリスクを予見できなかったのか?

サブプライムローンは、開発されて間もなく一機に普及しました。

過去の統計も無く、同一の類型もありませんでした。

それなのに、ムーディーズやS&Pがこの商品に高い格付けをしたんですね。

もとにもどって、ナイトはもう一つの不確実性を「真の不確実性」と呼びました。

地震などが典型例ですね。

当時、サブプライムローンはリスク商品では無く、地震と同じ予測不可能な商品だったんです。

リスクと真の不確実性を取り違えると大変なことになる。

教訓としては高い代償となりました。

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2009年08月01日

景気循環理論

昨今、経済危機も底を打ったとの報道が、ちらほら聞かれるようになりました。

生活実感としては、あまり感じないのですが、日経平均株価も1万円を超え、4月〜6月の四半期業績も持ち直したとなればそうなんでしょうね。

経済理論に景気循環理論というのがあります。

40ヶ月周期で企業在庫の需要変動によるキチンの波。

ジュグラーの波は、10年周期で企業の設備投資による景気循環となります。

クズネッツの波は、20年周期の建設需要による景気循環です。

最後に、コンドラチェフの波が、50年周期、技術革新による景気循環なんです。

どれも、景気循環の理屈としては、なるほどと思わせますね。

でも現代では、あまり、あてはまりそうにありません。

最近の景気の持ち直しも、世界各国の大景気刺激対策のおかげで、年末には息切れしそうとの意見が多いようです。

ところで、なによりも深刻なのは、我が家の景気対策です。

給料日前が不況のピークで、ちょうど、1か月サイクルの景気循環となっています。

なんとか、あくせく節約に励んで不況期をしのいでいます。

まだ、給料日の好?景気があるだけ、ましだと自分を納得させています。


ラベル:診断士 資格 経済
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2009年05月15日

2着目スーツ半額の謎

紳士服店でスーツを買うと2着目を勧められました。

しかも、半額とのことです。

よっぽど原価が安いのかな?と勘ぐってしまいます。

でも、これは診断士受験生にとっても重要な理論なのです。

スーツ1着5万円だとしましょう。

その中には、スーツ自体の仕入れ値は1万円としても、その他にテナント料、光熱費、宣伝費、人件費がそれぞれ原価に注入されます。

結果1着のスーツ5万円に対して、原価が4万円、利益1万円となります。

仕入は変動費、テナント料ほかは、固定費と言えます。

2着目が同時に売れるのならば、1着目に固定費を注入しているので、2着目は仕入れ値1万円だけと考えることができます。

すると、半額で売っても1万5千円の利益ですね。

1着目より利益が高いのです。

経営理論では、追加コストという考え方で、専門的には(診断士受験生向けには)限界費用と覚えましょう。

我々の周りには、たくさん、この実例が見られます。

高級料理店が昼間に安く定食を出します。

しかも、お手頃な価格で。

元がとれているのか疑問に感じますが、追加コストと見るとペイするんですね。

診断士受験生向けには、鉱工業2次問題でよく問われます。

1個100円の部品を100個受注しました。
追加で50個の部品を1個50円でオファーがありました。
オファーを受けるべきか否か解答せよ。
という具合です。

追加コスト(限界費用)は、絶対はずせない考え方なので、実例を想像してしっかり理解しましょう。
posted by ネット田中 at 10:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 診断士のビジネス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする