2024年07月26日

経営者のための遺言のすすめ

天気が急変しゴロゴロドカンと雷音が響くなか、事業部仲間の会合です。

事業承継に明るい行政書士から遺言についての発表がありましたので、備忘録兼ねて記事にします。

会社を立ち上げ、その会社を苦労して成長させてきた経営者の皆さん

あなたが亡くなった後、その会社はどうなって欲しいですか。自分で作った会社だから、自分の代で終わらせてしまおうと考える方もいるでしょう。いやいや、苦労して作った会社なのだからもっともっと成長して欲しい、大きく成長しなくとも自分が生きた証として継続はして欲しいなど、経営者として会社の存続を考える人は多くいると思います。

では、会社を後継者にスムーズに引き継ぎ、存続させるためにはどんな準備をしておけばよいのでしょうか。今回のコラムでは、経営者である自分が亡くなった後、事業承継を比較的スムーズに行える手段となる「遺言」について説明します。

1. 遺言とは

遺言とは、遺言者(遺言を書く人)の財産を誰に残すか、という遺言者の最終意思表示のことを言います。これを書面化したものが遺言書です。一般的には、「ゆいごん」と読まれますが、法律用語としては「いごん」と読みます。遺言の効力は、遺言書に書かれること全てに及ぶのではなく、民法で規定されている「遺言事項」についてのみ、法的効果が生じます。

遺言事項としては、相続分の指定、特別受益分の控除、遺産分割方法の指定、推定相続人の廃除、こどもの認知、遺言執行者の指定、祖先の祭祀主宰者等が民法上規定されています。

他方で、遺言事項以外の事項については「付言事項」と言います。法的な強制力はありませんが、たとえば遺言者がなぜこのような遺言を書いたのかという心情を書くことによって、これを読んだ相続人等が遺言者の気持ちを理解し、争いを未然に防ぐというメリットがあります。

2. 遺言の種類

2−1 自筆証書遺言

自筆証書遺言とは、遺言者が遺言の全文、日付、氏名を手書きして、これに押印する方式で行われます。紙とペンさえあれば遺言書を作成できるので、費用もかからず、簡便な方法として多く利用されています。もっとも、法律知識がないと、内容が不明確であったり、方式上の誤りを侵しやすく、かえって紛争を生じさせる可能性が高くなってしまいます。また、保管方法によっては、紛失や改ざんのおそれがあること、手書きでの遺言書作成は高齢者や身体の不自由な方にとってはかなりの負担をともなうことというデメリットもあります。

しかし、上記のデメリットは、(1)自筆証書遺言保管制度の創設や(2)自筆証書遺言の方式緩和により、解消されてきている側面があります。具体的に、(2)については、遺言書を法務局で預かってもらえる制度です。保管申請する際に、保管官が遺言書の形式的なチェックをしてくれるので(遺言の内容まではチェックしてくれません)、方式上の誤りを防ぐことができます。また、遺言書の原本及び画像データを長期間保管してもらえるので(原本は遺言者死亡後50年間、画像データは150年間)、紛失や改ざん等のおそれがなくなります。なお、手数料は3,900円です。

(2)については、遺言書に記載する相続財産の目録を添付するときは、その目録については自書しなくてもよいことになりました。ただし、自書によらない財産目録を添付する場合には、その財産目録の各ページには署名押印をしなければならないこととされています。このことによって、手書きの部分を大幅に減らすことができるので、遺言者の負担を軽くすることができます。このように自筆証書遺言は最近では利用しやすい方式となっているので、試しに遺言書を作ってみようという経営者の方は、まず自筆証書遺言を作成してみるのが良いかもしれません。

2−2 公正証書遺言

公正証書遺言は、遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授し、公証人がその趣旨をまとめて法律に定められた方式に従って作成されます。公証人が遺言を作成するので、方式の不備で遺言が無効となることがなく、原本は公証役場に保管されますので、紛失や改ざんのおそれがありません。また、検認の必要がありませんので、遺言者がお亡くなりになった後、速やかに遺言の内容を実現することができ、相続人等の負担が軽減されます。紛争予防を期待できる最も確実な遺言方式と言えるでしょう。

もっとも、公正証書遺言を作成するためには戸籍謄本・不動産登記情報・固定資産評価証明書等の資料を収集しなければならず、また財産額に応じた手数料を公証人に支払わなければならないという負担が生じます。さらに、遺言を作成する際に証人を2人以上立ち会わせなければならないという制約があります。

紛争予防を確実に期待できる反面、費用面での負担が大きくなってしまうのが公正証書遺言の特徴です。お子様がいない方や離婚を経験されている方など、相続トラブルが生じる可能性のある経営者の方は公正証書遺言を作成すると良いでしょう。

3. 遺言執行者

遺言執行者とは、遺言内容を実現させる手続きを行う人です。

「遺言執行者は、遺言の内容を実現するため、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有する」(民法1012条1項)ので、遺言を執行する上で幅広い権限を持ち、手続きを円滑に行うためにとても重要な役割を果たします。

たとえば、相続に伴う被相続人の預金・証券口座の解約、不動産の移転登記、自動車の名義変更等の手続きにおいて、遺言執行者が選任されていなければ、各手続きに相続人全員の署名押印や立会い等が必要となり、相続を完了させるのに多大な時間と労力を要します。遺言執行者を指定しておけば、遺言の執行を全て任せられるので、相続手続きが円滑に進みます。

では、誰に遺言執行者を任せればよいのか。

遺言執行者は、未成年者と破産者以外誰でもなることができますので、相続人を遺言執行者として選任することもできます。しかし、相続人が遺言執行者を行うとその相続人が自己に有利な手続きをしたり、他の相続人から疑惑の目を向けられたりするなど、無用なトラブルを生じさせるおそれがあります。したがって、弁護士・司法書士・行政書士等の専門家を遺言執行者とすることが望ましいです。

4. 遺留分

兄弟姉妹以外の相続人には、被相続人の財産の一定割合についての相続権が保障されています。これを、遺留分といいます。

遺言によっては、法定相続分とは異なる割合で相続財産を分配したり、相続人以外の第三者に遺贈するという場合がありますが、相続人には法律上遺留分が認められていますので、遺留分を侵害している者(遺贈を受けた者や贈与を受けた者)に対して、その遺留分に応じた金銭的な請求を行うことができます。

具体的には、被相続人の財産の額の2分の1(直系尊属のみが相続人である場合は3分の1)に自己の相続分の割合を乗じたものが請求できる金額となります。これを、遺留分侵害額請求といいます。

遺言を作成する際には、この遺留分に注意した内容にすればトラブルを未然に防ぐことができるでしょう。

以上、「遺言」について説明をしましたが、仮に遺言書を作成せずに、経営者の方が亡くなった場合、相続人全員によって遺産分割協議を行い、財産の分配を行わなくてはなりません。しかもこの協議は全員が合意しない限り終了しません。合意に至らない場合には家庭裁判所による遺産分割審判の手続きへと移行します。時間もかかりますし、誰が正式な会社の後継者なのかもはっきりしない状況が続きます。このような状況が続くことは、会社の運営にも支障がでてきますし、取引先からの信用も失いかねません。

このような事態を招かないためにも、最低限「遺言」を残して事業承継を円滑に行うための準備をしておきましょう。

ご支援先の社長にも提案したいと思います。
ラベル:事業承継
posted by ネット田中 at 10:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 診断士の中小企業問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年10月26日

人件費と賃金の違い

最低賃金が全国平均1,004円と大台を超えました。

賃金UPは経営上の大きな負担です。

どのくらいか。

人を雇うと、賃金を給与として払います。

給与以外にも、賞与があり、退職金、退職年金にかかるコストがあり、退職金はあらかじめ引当てておきます。

これ以外にも、社会保険料の事業主負担が。

手厚く住宅資金の貸付や趣味活動への援助などがあれば、法定外福利費として計上されます。

もっと言うと、教育研修の経費、採用にかける経費もあります。

これらすべてを合算したものが総人件費。

よく給与の3倍稼いで一人前と言われてましたが、受取る賃金と負担する人件費には相当の開きがあるんですね。

というような話を交えつつ、経営者とどこまでUPするかは検討中です。

ところで、財務情報として、ミラサポに人件費を入力します。

人件費は、通常(私の理解)役員報酬は含まないのですが、こちらも含むとあります。

中小事業者は、経営者のウエイトが大きいからでしょうか、一人親方もあるからかな、思うのですが。

実際はどうなのでしょうか。
ラベル:賃金
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2023年10月10日

電材卸の業界事情

電設資材卸売業は、建築物に設置される配電盤や受変電設備、エレベータなどに付帯する電気設備工事に必要な機器や関連資材を製造業者から仕入れて二次卸売業者や工事業者、小売業者に販売する業態です。

現在の業界をリードする大手企業は、いずれも戦後の創業で当時の旺盛な復興需要とその後の高度経済成長に後押しされ成長し、電気機器メーカーの販売サポート要請で創業した卸売業者も数多くあります。

その業態としては、
@電設資材販売を主力とする企業
A電設資材販売と設備の施工を手掛ける企業
B自社で製造機能を有しプライベートブランド電材商品も提供する企業
C電設資材のほかに金属建材など他材料も取り扱う企業
Dメーカー系の自社機器専門の販売商社
など多岐にわたります。

各社それぞれ強みを持つ製品群や技術分野でビジネスを行っていますが、周辺材料・部品などはコモディティ化しており価格面での競争が激しのも実情です。

電材卸の市場規模は、事業所数で25,000か所、従業者数で400,000人、年間商品販売額は46兆円、いづれも2021年経済センサス。

年間商品販売額は、平成20年代の減少期から転じて近年は増加していて、事業所数も同様に2007年の底まで一時期減少していましたが2014年にかけて増加しています。

一方、中小零細の事業所は一貫して減少しており、これは他の業態でも同様で事業主の高齢化や後継者難などの影響と見られます。

近年は、ネットで購入できる通販サイトが普及してきており、モノタロウなどの専門サイトやamazonなど通販トップが業種向けサイトを設けており、既存の電設資材卸売業者の脅威となっています。
posted by ネット田中 at 10:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 診断士の中小企業問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年06月25日

事業継続力強化計画で水害の備え

梅雨の季節、6月も後半になりました。

日本では例年、7月〜10月にかけて大雨・台風による水害が多く報告されています。

大雨・台風では、川の氾濫や土石流、がけ崩れ、地滑りなどが発生しやすく、甚大な被害をもたらす危険性があります。

その水害に備えて、ハザードマップの確認と事業継続力強化計画の策定についてご案内します。

1.温暖化で豪雨が増加する

近年、短時間に狭い範囲で非常に激しく降る雨が頻発し、記録的大雨という言葉も新聞でよく見かけるようになりました。

気温が高いほど大気に多くの水蒸気を蓄えられるため、豪雨災害につながりやすいというわけですが、

IPCC第6次評価報告書によると、産業革命前からの気温上昇が1.1度である現在は、大雨の頻度が1.3倍になっていると報告されています。

今後更に地球温暖化が進み、産業革命前からの気温上昇が1.5度、2度になると、大雨の頻度はそれぞれ1.5倍、1.7倍になると予想されています。

事実、日本では、大雨の年間発生回数は、1976年〜1985年までは平均174回、2008年〜2017年までは平均238回であり、この30年間で1.4倍に増加しています(中小企業庁:「中小企業白書2019年版, 第3部第2章防災・減災対策」より)。

今後も気候変動の影響により、日本では水害が頻発することが懸念されています。

2.ハザードマップを確認しましょう

前掲の中小企業白書によると、自然災害への備えに取り組んでいない企業の理由として最も多い回答は「何から始めれば良いか分からない」であり、そのように回答した企業の7割以上がハザードマップを確認していないと報告されています。

更に、ハザードマップを見たことがない企業の3割は、水害による浸水リスクを抱えているとされています。まずは、ハザードマップを確認することを推奨します。代表的なハザードマップは以下の通りです。

○J-SHIS(地震ハザードステーション) http://www.j-shis.bosai.go.jp/

○国土交通省ハザードマップポータルサイト https://disaportal.gsi.go.jp/

○地域の自治体HP(国土交通省HPからアクセス可)

3.水害に備えて事業継続力強化計画を策定しましょう

事業継続力強化計画とは、中小企業が自社の災害リスクを認識し、防災・減災対策の第一歩として取り組むために必要な項目を盛り込んだもので、将来的に行う災害対策などを記載するものです。

計画策定の目的は、

1)防災・減災の事前対策を行うこと

2)災害時の迅速な行動力を養うこと

実効性を担保するためには、継続的な見直しと教育訓練が不可欠で効果的かつ効率的に進めるためには、専門家の活用が有効です。

お近くの診断士にご相談ください。


ラベル:災害 診断士
posted by ネット田中 at 13:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 診断士の中小企業問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年05月05日

先端設備の導入支援

国は、中小企業の設備投資を後押しするため、様々な施策を用意しています。

その中の一つ、先端設備等導入計画の認定で受けられる固定資産税の特例について記事にします。

先端設備等導入計画とは、中小企業者が、設備投資を通じて労働生産性の向上を図るための計画です。

認定された事業者は、生産性を高めるための設備を取得した場合、固定資産税の軽減措置(3年間1/2に軽減。賃上げ方針を従業員に表明した場合は1/3に軽減)を受けることができます。

例えば、耐用年数8年、1億円の機械装置を購入するにあたり、事前に先端設備等導入計画の認定を受けていれば、3年間の節税見込額は約140万円です(1/2軽減の場合)。

先端設備等導入計画は令和7331日までの時限措置です。

計画認定を受けるためには、設備投資によって労働生産性を一定程度向上させる事業計画を策定し、投資計画書を作成なければなりません。

設備投資を予定されている事業者は、補助金の利用と併せてこれらの計画認定をご検討されることをお勧めします。

ラベル:診断士 税制
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2023年04月29日

銀行は何故審査するのか

先週は、所属会合で元銀行マンの診断士仲間からセミナーレクチャを受けました。

とても含蓄のある話で事業者支援にも生かせる内容ですので備忘録も兼ねて記事にします。

銀行は何故審査するのか?

ズバリ、経営者の人柄、考え方をみて「与信」を見定めるためです。

実は、雑談の中からすでに審査は始まっていて、相手の身なり、服装、話題の中から品定めをしています。

「第一印象」はとても大事で、「何か引っかかる」と思った先は融資手続きに時間が掛かったり、倒産したりと問題となることが経験則からも言えるそうです。

審査のポイントは3点、<ヒト・モノ・カネ>をみる。

しかも、この3つが揃っていないと融資で失敗する可能性大とのこと。

ヒトの審査とは、この社長にお金を貸してちゃんと返ってくるか、融資のお金を有効活用してくれるか、長く付き合っていける先か等。

会社が儲かっていないのに高級外車に乗っている、社長の自宅がやけに豪華、身なりが派手、遊びが派手、愛人がいるというケースはヒトの審査で落ちてしまいます。

また、意外にも節税好きな社長や税理士を銀行は好きではありません。

返済能力が減る(融資可能額が減る)、自己資本が積みあがらない、節税する(お金が出て行く)、本来の収支が分からなくなる

と言う理由から。また、流行った?保険料を使った節税対策も審査という点ではマイナスだと。

モノの審査とは、事業に強みや将来性があるか、融資で伸びる可能性があるかといった銀行に収益をもたらすかどうかという観点で見ています。

カネの審査は、決算書で判断します。

「会社には銀行用、税務署用、取引先用の3つの決算書があると言われる」銀行は提出された決算書が正しいかどうか、粉飾がないかどうかを調べます。粉飾を見つけるようになれると一人前と言われました。

簡単な粉飾は、勘定科目を3期〜5期並べてみると科目の推移に異常があれば浮かび上がってきます。

では、決算書はどこから見るか。

利益がどれだけ出ている会社かと、P/L損益計算書から見る人が多いのでは?(私がそうでした)

銀行員は、B/S貸借対照表から最初にみて、利益剰余金をその会社の業歴で割り、過去の平均利益を計算します。

当期利益と見比べ、最近儲かるようになった企業か、昔はよかったがじり貧になってきた企業かを判別し、

儲かっていた企業が連続で赤字を出し始めると立ち直るのはなかなか難しいと、これも経験則で言われているそうです。

銀行融資の裏側の一旦を見ましたが、

銀行は「晴れている時には傘を貸すが雨が降ったら貸してくれない」とよく言われます。

日頃から、銀行をファンにし味方につけることをお勧めしています。

その一つとして、業績のいい時にお金を借りると、銀行と良好な関係が作れるようになります。

低金利の時代、節税をするのであれば借入をして手持ち預金を増やし1年ぐらいは売上がなくてもやっていけるぐらいの会社にする方がこれからの時代は良いかと思います。

金利は経費、将来の業績悪化の時に備えた保険と思えば決して高いものではありません。

国は、銀行に事業性評価による伴走支援を求めています。

銀行では、融資以外の商品も売らなくてはいけないうえに、残業をすることができず、時間がないのが実情とのこと。

中小企業の経営者もコロナの次は円安での物価高、賃上げにどう対処すれば良いか等、経営課題が山積。

また、ゼロゼロコロナ融資の借換え支援をしてもらいたい企業がこれから増えていきます。

診断士も銀行審査の裏側を知ることで、銀行担当者が稟議を書きやすい資料を提出できれば、銀行との関係強化が図られます。

今後は、頼りになる存在として経営改善計画書等の作成支援も望まれます。

ラベル:融資 診断士
posted by ネット田中 at 11:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 診断士の中小企業問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年04月12日

パートナーシップ構築宣言

パートナーシップ構築宣言は、サプライチェーンの取引先と連携し、新たなパートナーシップを構築することを「発注者」側の立場から宣言するものです。

私のコンサル支援先にも宣言登録をお手伝いしていますので、紹介兼ねて記事にします。

現在の登録企業数は21,600社で、企業の大小関わらず多くの企業が登録済みです。

パートナーシップ構築宣言の目的は、立場の弱い企業が不利益を被らないようにすること。

下請に不利益な取引をしないと宣言させることで、立場の弱い企業を保護する狙いがあります。

このバックボーンには、ちゃんと下請中小企業振興法という法律があります。

これには「振興基準」というのがあって、親事業者と下請事業者との望ましい取引慣行が記載されています。

これを誠実に遵守しますと、Webポータルに代表者名で宣言するんですね。以下URL。


中々、良いアイデアと思うのですが、いかがでしょうか。

公正取引委員会は、80,000社の下請企業からの調査を実施し、優越的地位の濫用で名前の挙がった数が多い企業13社を公表しました。

その企業の宣言内容は以下の通りです。

@価格決定方法
不合理な原価低減要請を行いません。
取引対価の決定に当たっては、下請事業者から協議の申入れがあった場合には協議に応じ、労務費上昇分の影響を考慮するなど下請事業者の適正な利益を含むよう、十分に協議します。
取引対価の決定を含め契約に当たっては、親事業者は契約条件の書面等による明示・交付を行います。

サプライチェーン全体の共存共栄に向けて、改善を期待します。
posted by ネット田中 at 17:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 診断士の中小企業問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年07月24日

中小企業性業種

中小事業者向け補助金の勉強会に参加しました。

補助金申請には要件があって、まず、中小企業であること。

製造業なら、資本金3億円以下 または 従業員300人以下。OR条件なんですね。

最近では、この条件範囲になくても、資本金10億円以下なら中堅企業として申請要件を満たすことも。

ですので、大多数の企業が範囲に。

ただ、業種で見ると偏りがあり、中小企業性業種が多いのです。当たり前ですが。

中小企業性業種とは、出荷額全体のうち中小企業が70%を占める業種を言います。

中小企業性業種の特徴としては、、、

1.多品種少量分野での製品に属する業種
  アパレル、食料品、家具、雑貨など

2.大企業の下請企業として位置付けられる業種
  電子部品関連、機械金属の部品加工など

3.地域住民生活に密着した消費財、サービスを提供する業種
  豆腐、和菓子など製造小売など

自動車産業のように製造業が大企業向けで、飲食業のようなサービス産業が比較的、中小企業に向く業種と言えます。

飲食業は、比較的、小資本で開業できて、経営者の創意工夫で生き残っていけますね。

ただ、最近の傾向では大手チェーン店に圧されて苦境に立っているケースも多く、典型例で言えば喫茶店。

昔は個人経営の喫茶店も沢山ありましたが、今やスタバにドトール、マックやコンビニも。

コロナ禍で大きな影響を受けた中小企業性業種。

事業再構築を後押しする補助金支援によって、どう変わるのか。

見ていきたいと思います。
ラベル:補助金 診断士
posted by ネット田中 at 14:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 診断士の中小企業問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年05月04日

資源高・物価高のリアル

支援先企業にも資源高の影響が見られます。

リサイクル事業者では、売上高が昨年度比1.5倍に。

これは生産量が増えたわけではなく(むしろ若干減少)資源高の影響で再生品単価が高騰したためです。

ただ、有価原料も高騰しているので、高収益とまではいきません。

ベーカリーショップでは、ハード系の種類を抑えラスクなどソフト系を増やしています。

特に人気の食パンは材料費の高騰で採算に合わないと。

価格転嫁するにも限度がありと四苦八苦しています。

事業者目線で資源高・物価高は如実に感じます。

経産省が進める事業者支援でも、この対策にと補助金制度に追加されました。

事業再構築補助金に加点ポイントがつき、次の公募では特別枠を設けることになりました。

ーーーーー
【コロナ禍における「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」に関して】
コロナ禍における「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」に基づき、事業再構築補助金において、新たに原油価格・物価価格高騰等の予期せぬ経済環境の変化の影響を受けている事業者を対象とした特別枠の創設や加点措置を行います。
ーーーーー

狭き門とは言え、支援先事業者にはご紹介することにしています。

資源高・物価高の現実をリアルに感じる今日この頃です。
ラベル:診断士 経済
posted by ネット田中 at 11:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 診断士の中小企業問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年04月17日

雇用保険料率UPの影響

新年度に入り雇用保険料率がUPします。

雇用調整助成金向け支出など、長引くコロナ禍で枯渇する雇用保険財源確保が背景にありますが、

4月・10月と段階的に引上げられ、労使合わせて賃金の0.9%を負担する保険料率が、2022年4月〜9月は0.95%に、2022年10月〜 1.35%にUPします。

例えば、月収30万円ならば、

労働者負担(月額): 900円 → 1,500円 (プラス600円)

事業主負担(月額):1,800円 → 2,550円 (プラス750円)

労働者側も厳しいですが、最低賃金の引き上げなどで人件費の負担が増している中での、事業主負担増は、かなり厳しいというのが実感です。

また、多くの人手を要する建設業では、一般事業所より0.3%高い、1.65%になります。

雇用維持に使われた助成金が、廻り回って雇用保険料率UPとなり、逆回転しないか心配となります。

結局、中小事業者は、生産性向上でこれを補うしかないことになります。

withコロナ時代です。

posted by ネット田中 at 10:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 診断士の中小企業問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年02月14日

国内リサイクル事業の今後

一昨日、リサイクルビジネスの勉強会に参加しました。

東京都家電リサイクルへのIT支援経験もあり、とうても興味深い分野。

備忘録かねて記事にします。

1.ゴミ排出量は減っている
国内では、人口減少と各種リサイクル制度の整備による3Rの取組で廃棄物の総排出量は減少しており、
リサイクル市場の成長には限界があり、シュリンクしていくことに。

2.市場は海外へ
企業の海外生産の拡大と世界での廃棄物量の増加を踏まえ、海外需要の獲得が重要となります。特にアジア圏。

3.新興国の現状
経済発展の一方で、リサイクル制度の整備が不十分であることから、廃家電等の法整備に取り組み始めています。
健康被害、資源損失が発生して社会問題化するなど、廃棄物が適正に処理されているとは言えない状況も。

4.日本の強み
メタルリサイクル技術に強みがあり、物理選別技術、化学分離技術の特許出願の上位を占めている。
運用ノウハウを含め。

5.競合プレイヤ
欧米等では回収・中間処理から最終処分まで一括して行う大企業が多い。
材料となる廃棄物回収先から再資源販売先を含めたビジネスモデルが確立していて、
そのために、スケールメリットを活かした大規模なビジネス展開が可能となっています。
年間売上3兆円規模の事業者が存在しています。

例として、欧米メジャーのヴェオリア。
中国で危険廃棄物の無害化処理、シンガポールで廃棄物処理を行っています。

一方、国内企業の廃棄物処理・リサイクル産業は、中小事業者が多い。
各専門事業者が、廃棄物処理から販売は廃棄物処理業者が業界横断で担当し、規模も大手で年間売上規模が数百億円程度となっています。

6.今後の方向性
国内リサイクル市場はシュリンクしていくなか、市場拡大する海外への参入が望まれる。
強みのメタルリサイクル技術と運用ノウハウを生かし、他の企業との連携し取り組むことが重要でとなる。

人口が減少するってことは、産業分野では、こんなところにも影響があるんですね。

中小企業が多い産業廃棄物処理にも。
posted by ネット田中 at 14:19| Comment(0) | 診断士の中小企業問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年01月11日

電子帳簿保存法の自己診断

初の確定申告の準備を始めていますが、、

今年1月から改正電子帳簿保存法が施行されるとのこと。

診断士としては支援先への助言として押さえておく必要ありと、協会セミナーに参加。

自分事チェックも含め、備忘録として記事にしました。

改正電子帳簿保存法では、

・仕訳データをデジタルでそのまま保存すること

これまでは、事前に税務署に申請しなくてはいけなかったのが、必要なしに。

私は、クラウド会計を使っていて、デジタルになっているので問題なし

・紙で受け取った領収書や請求書などをスキャナなどで電子保存すること

私は、普段から紙で送られてきたものは、スキャンして月別フォルダにPDF保存。

オンラインストレージにアップして検索しやすいようにしている。

念のため、紙もファイリングしていますが。(これからは必要なし)

・電子取引のデジタルな領収書や請求書を保存すること

これも月別フォルダに検索しやすい名前を付けて電子保存しています。

これまでは紙印刷してバインダファイリングされている事業者が多いように思いますが、

改正後は、これが認められないということのようです。(急遽、2年間の猶予処置が発表されましたが)

電子でもらったものは電子で保管してくださいとのことで、紙で印刷したものは原本として認めない。

こちら、すでにクラウドサービスを利用されている事業者さんには、メリットが大きいのではと。

税理士さんご指定の昔ながらの会計ソフトをお使いにところは、意外と苦戦しそうです

いづれにしろ、いろんな面でデジタル化が進んでいることの表れと思うのです。
ラベル:診断士 会計
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2021年12月19日

コロナ禍、銀行との付き合い方

さいたま総研、定例会兼納会。

公庫出身の方からミニレクチャ ”銀行との付き合い方” 備忘録兼ねて記事にします。

1.信用の貯蓄

コロナ融資、

リスケ先でも借りられた事業者

無借金なのに、なかなか借りられなかった事業者

何が違ったか?・・・

会社の財務データがない=定量データ
                               
経営者の人となりが分からない=定性データ

お付き合いの無い事業者は、データが無く融資のハードルが高ります   

返済を重ねることで信用が貯まる、信用の貯蓄をしましょう。

2.銀行は見込み客の宝庫

銀行主催のビジネスマッチング商談会、各支店でも様々な会合を開催されています

積極的に会合に参加し自分を売り込んでいきましょう

銀行は融資だけの場所ではなく見込み客の宝庫です。

3.どの銀行と付き合うか

1行取引は危険である。

メガバンクは方針転換で優良貸出先でさえ新規貸し出しを抑え、

地銀・信金合併は融資枠の減少が、、

中小事業者なら信金・信組を中心に複数行と付き合うのがベスト

ちなみに、逃げ足の速い銀行はどこか

メガ ⇒ 旧相互系地銀 ⇒ 地銀 ⇒ 信金・信組 ⇒ 商工中金 ⇒ 公庫

こちらの順かと、政府系はセーフティーネット貸付があるので逃げ足が遅い

4.資本性劣後ローンの登場

銀行から融資を受ける場合、担保や保証人が必要で、これで躊躇する創業希望者や経営者が多いのも事実。

特に、数々のリスクを持つスタートアップ企業。

資本性ローンは新規事業等に取り組む中小企業の財務体質強化のために、資本性資金を供給する制度。

他の債権に劣後する融資で、出資に近い資金の調達、つまりは負債ではなく資本としてみなすことのできる資金の調達。

但し、公庫融資は民間との協調融資が必要で、、

お近くの銀行と普段から取引を続けて、信用を貯蓄し、新規事業やコロナ禍のような事態には政府系を利用する。

コロナ禍の今現在、融資姿勢は極めて厳しくなっているそうです。

銀行との付き合い方も見直す機会に。            
ラベル:診断士 融資
posted by ネット田中 at 10:51| 東京 ☀| Comment(0) | 診断士の中小企業問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年09月24日

補助金の財産処分制限

ご支援先から根抵当権設定に関する相談。

補助金で店内を改装しようと採択を得たが、交付申請の許可がおりないとのことです。

その理由が根抵当権が設定されているため。

補助金を活用して得た財産に関して、担保に供することが原則禁止されています。

あたり前と言えばあたりまえで、、

国からお金を得て買ったものが担保として召し上げられたら大変です。

根抵当権の設定は、予め上限額と被担保債権の範囲を決めて、この範囲で何度もお金を借りたり返済したりできる便利な契約行為なんです。

商売をされている方がよく利用します。

サラリーマンでしたら、借り入れは住宅ローンが思い浮かびますが、

1回こっきりで完済すれば終わりですから、通常の抵当権を設定します。

商売として何度も契約するのは非効率と根抵当権があるんです。

当補助金の公募要領を見ると、抵当権設定は条件付きで容認されることがあり、根抵当権は不可となっています。

よって、ご支援先には、速やかに取引先の信用金庫に相談するようお話ししました。

当補助金の趣旨から緩やかな運用を求める声もあり、

何らかのアナウンスがあるかもしれません。

補助金の財産処分制限の運用緩和も期待したいです。

また、ネットバンクが進展すれば、根抵当権を設定せずとも借り入れがスムーズになるかと。

こちらが根本的解決につながるのではと思う次第です。
ラベル:診断士 補助金
posted by ネット田中 at 10:17| 東京 ☀| Comment(0) | 診断士の中小企業問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年09月19日

電子帳票保存法改正の対策

昨日、DX/ITCオンラインセミナーを受講しました。

QAセッションで話題に上がった電子帳票保存法の改正について、備忘録兼ねて記事にします。

今年、2021年に電子帳簿保存法が改正され、来年の2022年に早々、施行されます。

改正内容と言うと、

・税務署への承認がいらなくなります。
・エビデンス保存の要件緩和(タイムスタンプ、サインなど)
・相互牽制、定期検査も必要なくなりました。

デジタル庁が発足して、国を挙げてDXを推進しようとの機運のなか、

国税がここまで譲歩すると、企業も紙文化から脱却できない言い訳が難しくなりそうです。

でも、大手は別として中小の現場を見てきた者としては、この改正をもってしても紙文化からの脱却が進むことについて悲観的です。

スキャナー、ソフト購入の投資対効果が見込めない、周りの協力が必要、依然として前例踏襲の意識が強い。

それなら、結局、電子媒体で受け取っても、わざわざ印刷してバインダーに保存で良いやと。不合理と思いつつも。

但し、何らかの強制力が働くと一気に進むことも。

国が掲げるDXの一端が見えてきます。

今後に注目したいトピックス、電子帳票保存法です。
ラベル:DX 法改正
posted by ネット田中 at 13:02| 東京 ☀| Comment(0) | 診断士の中小企業問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年07月14日

生産性と最低賃金

企業は生産性向上に力を入れています。

生産性って何なのと聞かれると、一人当たりの付加価値額となります。

付加価値額は、おおよそ営業利益に人件費と減価償却費を足したもの。

製造業では、ほぼ粗利となります。

わかりやすく、生産性向上の取り組み例に、ムダの削減があります。

ムダな時間を見つけて削り、その時間を他の仕事にあてれば、単位時間あたりの効率があがります。

ここが経済の難しいところで、生産性があがったので、早く帰りましょう。

当然、残業なんてなしでね。

残業代が減るわけですから従業員の総賃金も減り、消費が伸びないというシナリオもあります。

時間軸から行くと先に、人手不足で労働単価が上昇(給与があがる)するのでしょう。

まあ、そう単純ではないと思いますが賃金は上昇に向かうと予想しますが。

問題は、中小企業事業者が耐えられるかです。

多少の賃金上昇くらいに耐えられない会社は、そもそもダメと批判する方もありますが。

ただ、人件費比率の高い事業者にとっては、ものすごく厳しい問題です。

また、国内需要産品は耐えられるかも(国内で競合するので)しれませんが、海外産品で世界と競争する会社にとっては厳しい時代になりそうです。

昨日、ニュースを見ると最低賃金についての議論が始まったようです。

生産性向上と見合った賃金水準に向かうことになるのでしょうか。

注目したいと思います。
ラベル:賃金 中小企業
posted by ネット田中 at 13:57| 東京 ☁| Comment(0) | 診断士の中小企業問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年04月04日

ロカベンと事業再構築

事業再構築補助金の公募要領がでました。

事業者も支援者も注目していましたが、ローカルベンチマーク(通称ロカベン)なるものが。

意外とこれ何という人が、、、ネットで調べればすぐにわかりますので、、説明は割愛、、

以下参考URL

https://www.meti.go.jp/policy/economy/keiei_innovation/sangyokinyu/locaben/

専門家派遣で事業者支援を行うとき、便利なツールとしてよく使います。

企業の健康診断ツールとしていますが、事業者の方と経営課題について会話を進めるための、きっかけツールとして重宝しています。

事業再構築補助金の申請にあたっても、このツールを使った分析結果を提出としています。

同業種との比較ができるので、客観的に自社の経営状況を把握することになりますが、補助金採択にどう評価されるのか、、、

申請の絶対要件には、コロナ禍の影響により前年同月比売上10%減の事業者とあり、、

そもそも、ベンチマークは高得点で無いケースが多いのであって、だから事業再構築に取り組むのですが、、、

審査で求められる、新規性と実現可能性には、相反する面があります。

ベンチャー創業のような新規性の高い事業プランは、成功すれば大きいが失敗例も圧倒的に多いのが実情かと。

両バランスを保つ、新規性が高いが自社ソフト資産とのシナジーが高い事業ドメインが中心となるように思えます。

ご相談の最初の一歩はロカベンから。

お勧めです。

posted by ネット田中 at 11:02| 東京 ☁| Comment(0) | 診断士の中小企業問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年02月28日

大企業と中小企業性業種

旅行会社大手のJTBが資本金を1億円に減資し中小企業になろうとしています。

売上1兆円、従業員2万人を超える大企業がどうしたのと、

中小企業基本法では、製造業、卸業、小売業、サービス業で基準があって、資本金と従業員数(どちらかOR)で中小企業と定義されます。

中小企業には、補助金など政府施策の手厚い?恩恵を受けることができます。

また、税制面では、上のような区分が無く、資本金が1億円以下だと、売上高や従業員数の関係なく、税制上の“中小企業”の扱いになります。

JTBもこの税制上のメリットを狙っての原資かと。

ところで、中小企業性業種というのがあります。

中小企業性業種とは、出荷額全体のうち中小企業が70%を占める業種を言いますが、

特徴としては、

第1に、国内外の市場が細分化しており、多品種少量分野での製品に属する業種でアパレル、食料品、家具、雑貨など。

第2には、大企業の下請企業として位置付けられる業種で電子部品関連、機械金属の部品加工などです。

第3には、狭い市場に限定された地域における住民生活に密着した消費財、サービスを提供する業種で豆腐、和菓子などの製造小売などが該当します。

自動車産業のように製造業が大企業向けで、飲食業のようなサービス産業が比較的、中小企業に向く業種と言えます。

ただ、先のJTBのように原資などで中小企業となれば、この区分も曖昧になりそうですね。

中小企業の定義を変える、または、区分けしないというのも今後ありかなと思うのです。

規模では無く、産業別の施策に重点をおいてはと。
ラベル:診断士 中小企業
posted by ネット田中 at 18:03| 東京 ☀| Comment(0) | 診断士の中小企業問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年12月21日

3次補正案に見る中小企業施策

経産省から3次補正予算案の事業概要が出されました。

コロナ禍での経済対策なので注目度も高く。

総額が4.3兆円の大規模補正ですが、私が気になるのは、やはり、中小企業施策です。

目立つのが再構築促進事業で、なんと、1.1兆円規模(1桁違う規模に驚き)、

中堅企業に成長する中小企業に支援を重点化するというのがポイントのようです。

その具体的な中身は、これからでしょうが、政策ブレーンのアトキンソンさんの顔がちらっとよぎり、

生産性の低い中小企業は退出すべきとし、中小企業の統廃合を訴えていますよね。

補助上限枠や配分に注目です。

一方、お馴染みの生産性革命推進事業(もの補助、小規模持続化、IT促進)の特別枠が2300億円となっています。

感染防止と生産性向上を両立するビジネスモデルへの転換を支援する。とあり、こちらも今後の具体的な中身に注目です。

1月からの通常国会で審議され、早ければ2月の中下旬には成立執行かとの予測ですが、

中小企業支援で、落ち込む経済の後押しになることを願いたいです。

ラベル:診断士 補助金
posted by ネット田中 at 15:00| 東京 ☀| Comment(0) | 診断士の中小企業問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年10月25日

クラウドファンディングで中小企業支援

クラウドファンディングをテーマにしたセミナー講師を予定しています。

コロナ禍にあって、なんとか9月くらいから会場でのセミナーが徐々に行われていて、

今回は、クラウドファンディングをテーマにしました。

そこには思いがあり、

日銀短観では、景気の底は脱したようにも言っていますが、現場感では、まだまだで、特に中小企業事業者の資金繰りは、かなり厳しい。

もちろん、無利子融資や各種補助金などの政策は打たれていますが、企業の成長を左右する新規開発資金は、尚更です。

その活路として、私は、クラウドファンディングを提案しています。

これは、事業などに必要なお金をネットで募り、集まったお金で作った新商品やお礼の品をお返しする仕組みで、

返済不要なお金を集められるのが魅力ですが、実はそれ以外のメリットも、

その一つが、マーケティングでのデータ活用。

新商品開発のお金を募れば、その反応やレビューから、価格感、売れそうな個数や人気の色など、貴重なデータとなります。

もう一つは、ファンづくり。

商品の魅力を知ってもらえれば、継続して買ってくれる顧客を増やせるのです。

そして三つ目が、銀行融資による資金調達。

これらの計画や実績は、銀行融資を受けるのに効果的です。

ネットに載せる紹介文や設計などの手間や労力に躊躇される事業者もあるかと思いますが、

もし、想定資金に達しなくても、そのメリットは大きいのです。

ただ、実施しようにも、ITが不慣れで踏み出せない高齢の事業者も多いのが実情で、

そういった事業者の方に、中小企業診断士が支援者となって進められればと思うのです。
posted by ネット田中 at 10:54| 東京 ☀| Comment(0) | 診断士の中小企業問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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