診断士仲間の会合、テーマはアフターデジタル。
DX推進担当者が自社の取組みで参考となった書籍の「アフターデジタル2」の紹介と合わせて発表がありました。
備忘録兼ねて記事にします。
まず、ビフォアデジタルとアフターデジタル。
モバイルペイメントやIoTの例からもわかるように、行動データを高頻度に取得できるモバイルデバイスやセンサーが普及すると、データ化できないオフライン行動はなくなり、「オフラインがデジタル世界に包含される」ようになります。
そうした世界を私たちは「アフターデジタル」と呼んでいます。
それに対して、いまだ日本人の多くが抱いている「オフラインの世界が中心で、そこに付加価値的にデジタル領域が広がっている」という捉え方のことを、本書では「ビフォアデジタル(Before digital)」と呼んでいます。
ビフォアデジタル的な考え方が主流の今の日本では、デジタル事例を「企業に紐づく個別の取り組み」と捉えがちです。
しかし、デジタルが本当の意味で浸透すると、社会システムそのものがアップデートされ、様々な取り組みが「点」ではなく「線」、さらには「面」としてつながっていくのです。
「アフターデジタル」では成功例としてOMOを挙げています。
OMOはOnline Merges with Offline で、
オンラインとオフラインを融合して戦い方などを考えるデジタル企業の思考法です。
OMOを実現して成功したと紹介されているのが、中国の企業のフーマーの例。
フーマーは2016年に誕生したアリババが展開する会社です。
リアル店舗だけでなくオンラインショップもあり、顧客の都合に合わせて使い分けることが可能です。店舗数は100を超え、世界中から視察に来ているほど有名な会社になっています。
オンラインで欲しいと思った商品があれば店舗に足を運んで商品を確認し、そのままお店で購入できます。
お店で商品をチェックしてオンラインでまとめて購入することも可能で顧客一人ひとりのニーズに合わせた買い物が出来るのが特徴です。
成功の秘訣は生鮮食品の販売。
生鮮食品をオンラインでの購入は抵抗ある人でも、実店舗を知っているから安心して買えます。安心感を顧客に与えることで、売り上げを伸ばしているのです。
この本ですが、世界ではどのようにデジタルを活用しているのか、日本より一歩先に進んでいる欧米や中国ではどんなことにデジタルを使っているのかを学べます。
企業支援に取り組む診断士にもお勧めの一冊です。
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