2018年03月06日

囚人のジレンマと司法取引

囚人のジレンマとは、ゲーム理論の1例で、中小企業診断士試験でも経済学で寡占の問題や戦略論として登場します。

共犯の2人が警察に逮捕拘留されます。

ともに否認を通せば両者ともに釈放となります。

もし、一方が証言し他方が否認を続ければ証言したほうだけ釈放され、否認を続けたほうは重い刑を受けます。

また、両者が自白した場合には若干の減刑があります。

そろって否認するのが囚人の共通利益ですが、疑心暗鬼に陥り自白する者が出るのです。

リニア中央新幹線をめぐるゼネコン4社の談合事件は、この状況に近く、司法取引によって囚人のジレンマを政策的に再現しています。

4社のうち2社が課徴金減免(リーニエンシー)制度に基づき、違反を公正取引委員会に自主申告しました。

過去の事例では、第1申告者は課徴金だけでなく刑事告発も免れており、事実上の司法取引と言えますね。

まさしく、囚人のジレンマというゲーム理論を政策面で見事に当てはまった事例と言えそうです。

決別宣言しながらも談合疑惑が絶えない業界の体質ですが、課徴金、取引停止、刑事罰などをリスクを考えれば、談合ゲームに加わるメリットは皆無と思うのは私だけなのでしょうか。
posted by ネット田中 at 21:12| 東京 ☁| Comment(0) | 診断士のビジネス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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