共犯の2人が警察に逮捕拘留されます。
ともに否認を通せば両者ともに釈放となります。
もし、一方が証言し他方が否認を続ければ証言したほうだけ釈放され、否認を続けたほうは重い刑を受けます。
また、両者が自白した場合には若干の減刑があります。
そろって否認するのが囚人の共通利益ですが、疑心暗鬼に陥り自白する者が出るのです。
リニア中央新幹線をめぐるゼネコン4社の談合事件は、この状況に近く、司法取引によって囚人のジレンマを政策的に再現しています。
4社のうち2社が課徴金減免(リーニエンシー)制度に基づき、違反を公正取引委員会に自主申告しました。
過去の事例では、第1申告者は課徴金だけでなく刑事告発も免れており、事実上の司法取引と言えますね。
まさしく、囚人のジレンマというゲーム理論を政策面で見事に当てはまった事例と言えそうです。
決別宣言しながらも談合疑惑が絶えない業界の体質ですが、課徴金、取引停止、刑事罰などをリスクを考えれば、談合ゲームに加わるメリットは皆無と思うのは私だけなのでしょうか。
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