2017年12月16日

ネット中立性規制撤廃

やるやると噂されていましたが、ついに踏み切りましたね。

FCC(米連邦通信委員会)は、一昨日の14日、通信会社にインターネット上のコンテンツを平等に扱うよう求める「ネット中立性」原則の撤廃を決めました。

ネットワーク中立性とは、ネットワーク通信事業者(例えば、AT&T、日本で言えばNTTなど)が、特定のコンテンツ配信事業者(例えば、ユーチューブ、フェイスブック)を差別してはいけないという原則のことです。

オバマ前大統領時代に法制化されましたが、賛否両論あります。

ネットワーク事業者が特定の配信サービス(例えば特定のSNSなど)を優遇すると、そのほかのサービス(他のSNS)が閉め出されることにつながり兼ねないんですね。

また、ネットワーク事業者が自らも配信サービスを手掛けているので、尚さら差別しかねない。

その一方、通信内容を問わずネットワークを利用させてしまうと、一部のユーザーが過剰な帯域を使ってネットワークに負荷をかけてしまうことにもつながるので、フリーライド(ただ乗り)と呼ばれる問題が発生し不公平な状態になります。

だから、回線に負荷がかかるサービス(例えば、動画配信)会社に高速通信を提供する代わりに、特別料金を課すなどが考えられます。

ということで、「ネット中立性」の「中立」は何と何の中に立つことかというと、インターネットのトラフィックです。

オバマ前大統領が制定した「Open Internet Order」は、「インターネットを支える通信インフラ企業やISPは、回線を行き交うトラフィックを全て平等に扱うべし」という規則ですが、通信インフラ企業にとっては嫌な規則です。

分からなくも無いですね。

苦労してはりめぐらせたインターネットのためのネットワーク上を、コンテンツ企業はタダ乗りして膨大なトラフィックを流しまくってお金をもうけ、トラフィックがあふれるとユーザーから苦情が出て、お金を掛けて基地局を増やしたりケーブルを太くしたりしなくちゃなりませんから。

トランプ政権は、過剰な規制が通信会社の設備投資や技術革新を抑えてきたと主張し、早期廃止を求めてきました。

ネットワーク中立性規制撤廃により、資金力で劣る新興ネット企業が大手との競争で不利になるほか、お金を払える人だけが高速回線を使えて低所得者が不利になるとの危惧があります。

FCCの決定に対して情報統制につながるとして抗議運動に発展していて、今後は、訴訟も検討されています。

これは結して、アメリカだけの対岸の火事では無く、日本でも同様の議論を呼びそうです。
ラベル:診断士 通信 規制
posted by ネット田中 at 11:19| 東京 ☀| Comment(0) | 診断士の国際問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: