2017年06月16日

ビンジョナリーカンパニーで巨像も踊る

ビジョナリー・カンパニーという本を読み返しました。

経営コンサルタントのジム・コリンズさんが書いた本ですね。

ビジョナリー・カンパニーとは、その名のとおりビジョンを持っている企業のことで、先見的(ビジョナリー)な企業を指します。

この著者のジェームズ・コリンズさんは、比較対象企業を綿密に分析し、ビジョナリーと称賛される企業の特徴を探ろうとします。

第1作『ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則』、第2作『ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則』があります。

第3作目が、この『ビジョナリー・カンパニー3 - 衰退の五段階』です。

前2作の続編として、前作同様に比較対象企業を設定し分析していきます。

企業は、「ビジョナリー」を目指すわけですが、大抵の企業はなかなかそうはなれませんね。

また、一度は「ビジョナリー」として賞賛された企業であっても、その栄華がずっと続くわけでもありません。

コリンズさんは、強大な企業がいかに衰退するかを示す段階的な枠組みは五段階で構成され、それぞれの段階を順番に経過するとしています。

第一段階「成功から生まれる傲慢」
第二段階「規律なき拡大路線」
第三段階「リスクと問題の否認」
第四段階「一発逆転策の追求」
第五段階「屈服と凡庸な企業への転落か消滅」

衰退への道を歩んでいると分かった時(分からないことも多いのですが)は、規律ある経営慣行を厳守することが必要であると説いています。

この「衰退の五段階」は普段の自分たちの日常生活にも非常に応用が効きます。

FXに投資して、ちょっと儲かると自分は才能があると傲慢になり、投資を拡大して、リスクを顧みず、最後は一発逆転を狙って、奈落へ落ちて行きました。

自分のこういった苦い経験も、なるほど、と妙に感心させられました。

この本ですが、比較対象企業が良く知る企業なので非常にリアリティがありますね。

HPとIBM、たしかに当時、HPのフィオリーナさんという人が脚光を浴びていたのを覚えています。

この本では、IBMのガースナーさんが真逆の地味な人として書かれています。

また、IBMの再建を託されたガースナーさんが「今はビジョンは必要ない」と述べたのに対比してフィオリーナさんの明確なビジョンと猛烈な個性で周りを魅了していくさまに考えさせられるところがあります。

この本を読み終わったあと、さっそく、ガースナーさんの「巨象も踊る」を買いましたよ。

古い本ですが、今にも通用する、大変に興味深い本ですのでお勧めします。

ちなみに、amazonで100円でした。

値打ちのある本でした。
ラベル:診断士 企業
posted by ネット田中 at 22:19| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 診断士の書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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