2012年12月25日

「ごまかし」の行動経済学

粉飾決算、インサイダー取引、不正な取引や経済行動があとを絶ちませんね。

そういったいわゆる不正にまつわる「ごまかし」の行動心理を行動経済学では盛んに研究されているそうです。

まず、根本的に人間は誰しも小さな「ごまかし」をしたりするものではないでしょうか。

もちろん程度の差はあり、「ごまかし」には許されるものと、そうでないものとがあるという主張もが見られます。

そこで「ごまかし」から「不正」につながる人間の行動パターンについて考えてみたいと思います。

一般的に、大多数の人間は、不正をするのは一握りの悪人だけであり、自分自身は正直者だと思っています。

しかし、一方、誰もが程度の差こそあれ、小さな「ごまかし」をしたりします。

そして、その小さな「ごまかし」が大きな不正につながることもあるのです。

では、不正はなぜ起きるか。

これまでの合理的な経済学においては、不正に対する考え方は、3つの基本要素から成り立っているとしています。

犯罪から得られる便益、捕まる確率、捕まった場合に予想される処罰、の3要素です。

合理的な人間は、最初の要素(便益)と残り2つの要素(費用)とを天秤にかけて、1つ1つの犯罪が実行に値するかしないかを判断するのだというのです。

具体的な例として駐車違反の事例を紹介します。

会議に遅れそうになったA氏は、駐車場が満車だったので駐車禁止の違反リスクを冒して、路上駐車することに決めました。

A氏は、想定される費用(捕まり、罰金を科され、レッカー移動されること)と、会議に間に合うことの便益とを比較検討し、費用と便益とを天秤にかけたのです。

そこには善悪の判断が入り込む余地はなく、単に起こり得る好ましい結果と好ましくない結果を比較しただけなのです。
このような仕組みを、「合理的犯罪モデル」と呼ばれていますが、これだと、「ごまかし」てもばれたり罰されたりせずに、より多くのお金が得られるチャンスがあるとき、人はもっと「ごまかし」をするべきだということになります。

一見わかりやすい考え方ですが、本当にそうなのでしょうか。

対して、行動経済学では、不正の動機となるのは、主に個人の「つじつま合わせ」であるとします。

「つじつま合わせ」は、人間は正直でありたいと思いながら、一方でずるをして得をしたいとも考えます。

そのせいで「正直な人間」という自己イメージと実際の行動との間にズレが生じることがあります。

この「つじつま合わせ」で発生したズレを解消しようとする思考や行動原理を行動経済学では研究しているのです。

利己的な欲求を正当化する能力が高まると、つじつま合わせも大きくなり、その結果、不品行や不正行為をしても違和感を覚えにくくなるのです。

人間を不正に向かわせる本当の力を明らかにし、この正しい理解を基に不正を減らしていくことが求められます。

不正を減らすために必要な要素として「道徳心」を私はあげたいと思います。

「ごまかし」をしたくなるような状況においもて、便益側に天秤が振れようとも、自制を促す。

損得だけでは人間は動かない。

「道徳心」言葉を変えれば「正義感」が人間社会の行動原理であると信じたいのです。
posted by ネット田中 at 10:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 診断士のビジネス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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