2009年03月11日

雇用保険改正のゆくえ

雇用保険法の改正案に異議があります。

雇用保険制度は、社員が失業した場合の給付(失業手当)や育児休業手当、介護休業手当などの支給を目的とした国の制度です。

失業給付以外にも雇用保険三事業(雇用安定事業、能力開発事業、雇用福祉事業)があり、おおよその数字ですが、失業給付で2兆円、三事業で5千億円が支給されております。

ここで、議論になっているのが、雇用保険料率の引き下げ問題です。

現在は1.2%で労使折半、これを0.8%に引き下げるとのことです。

一見良さそうに見えるのですが、その目的が企業負担の軽減による景気浮揚と雇用対策だと言うのです。

もう少し詳しく言うと、雇用保険料が下がった分で、企業の皆様、賃上げをして下さい。そうすれば景気も良くなりますよ。と主張しているのです。

でも本当?

企業は利益を出しても株主に還元するだけではないのでしょうか。

この政府案に対して対案が出されております。

現行料率を維持して、潤沢な雇用保険原資でセイフティーネットを拡充しようとの案です。

具体的には非正規労働者を中心に広く失業手当を受給できるようにしようと言うことです。

現在の雇用環境を見ると、あきらかに、後者が妥当と考えるのは私だけでしょうか。

ちなみに、雇用保険は国の強制保険です。

事業主が従業員を一人でも雇った場合は雇用保険に加入することとなっており、強制的に適用されます。

中小・零細事業者の中には、雇用保険未加入の問題も深刻な問題として対策が必要です。
posted by ネット田中 at 10:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 診断士の経済問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック