診断士受験者向け勉強を兼ねて労務管理の非正規社員について記事にしました。
ご興味ある方は、少し長くなりますがお付き合い下さい。
昨今、世界的な不況を前に日本でも雇用の削減が急激に進んでいます。
連日、ニュースや新聞でも話題になっているのが非正規社員の削減です。
特に自動車や電機などの輸出産業において急激に減っています。
でも、そもそも非正規社員とはなんでしょうか?
まっ先に思い浮かべるのは、パートやアルバイトですね。
そのほかにも、いろいろあって代表的なのが請負社員、派遣社員、期間従業員などです。
それぞれ違いがあります。
請負社員は請負会社が雇用しています。
しかし、仕事を発注したメーカーの製造現場で働く社員のことを言います。メーカーから見れば非正規社員となります。
この請負社員も、今年は偽装請負として社会問題化しました。
そもそも、請負社員への仕事の指示は、請負会社が行うのがルールです。
でも、実態はメーカー側が指示を出し仕事を進めるケースが横行したのです。
次に期間従業員ですが、正規社員と同様に企業と直接雇用契約を結びます。
しかし、その期間が6ヶ月などと期間が決められています。季節労働者という言い方もしますね。
最後に派遣社員です。
派遣社員は派遣会社と雇用契約を結び、派遣先の指示で働く人です。
先の期間従業員と比べて解雇されやすいと言われており、現在、ニュースでも問題として取り上げられているのが、このケースです。
でも、ニュースでも誤解を招く紹介が多いんですね。
派遣社員も特定派遣と一般派遣があり、特定派遣は派遣元の正規社員なのです。
ですから、派遣先の契約が打ち切られても派遣元での雇用は維持されます。
一方、一般派遣社員は、派遣先で契約が解除されると派遣元でも契約解除となります。
2004年頃、日本社会全体の働く意識が変わりました。
若者世代を中心に自由きままに働きたいという風潮があったのは事実です。
そのタイミングで実施されたのが小泉政権下での規制緩和です。
派遣労働の対象を格段に広げたのです。
具体的には、派遣労働のポジティブリスト方式(派遣してもいい仕事)からネガティブリスト方式(派遣してはいけない仕事)に変えました。
これによって十数種類の仕事以外は、なんでもOKとなりました。
もちろん製造業への派遣もGOがでたのです。
いま、この小泉政権下での規制緩和を声高に非難する評論家が多いですね。(特にマスメディアですが)
別に擁護するわけではありませんが、当時、社会風潮として自由な働き方への要求として国民の大多数が賛同したのです。
今になって、あれは失策と非難ばかりするのは、いかがなものでしょうか。
現在の非正規社員の数は、約1779万人です。
働く人の3人に1人という計算になります。
安い人件費で、しかも仕事の量に応じて柔軟に人数調整ができ、さらに雇用保険などの負担を負わずにすむ。
企業にとっては良い事づくめですね。
ほんとう?
企業が競争力を高めるうえで、人材育成は、即効性は無くても長い期間で見れば必ず優位に働くと私は考えます。
現実に、非正規社員を正規社員に登用するケースも増えています。
ユニクロなどが有名ですね。
企業の皆さん。
安易な労働力確保は必ずしっぺ返しがありますよ!
2008年12月30日
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