2008年10月25日

ランチェスター戦略

軍事戦略を経営理論に生かした話は結構あります。

最も有名で経営者に人気なのが、皆様もよくご存知の『孫子の兵法』ですね。

次によく知られているのが『ランチェスター戦略』でしょう。

イギリス航空工学の専門家、ランチェスター氏の名前からきています。

彼は、第1次世界大戦を通して、戦い方における兵力の割合と損害量の関係を研究し、2つの法則性を提言しました。

孫子の兵法との違いは、戦争戦略をはじめて科学的に分析したことです。

また、2つの法則と言うのが、とてもシンプルな法則なのです。

第1法則は、兵器の性能が同じならば、兵士が多いほうが勝つ。

第2法則は、兵力の多い軍隊が、少ない軍隊に勝つ。

はあ?そんなの、あたり前じゃないの。との突っ込みがきそうですね。

でも後の第二次世界大戦、アメリカの対日戦争で実際にこの理論をベースに実戦展開されたのです。

そうです。圧倒的に強力な兵器を総投入したのです。

最後には原子爆弾まで。

企業戦略に応用されたのが、戦後でフォルクスワーゲン社をカナダ進出に導いたとされています。

日本では60年代に田岡信夫氏という経営コンサルタントがランチェスター戦略をモデルに販売における競争戦略を構築したのが始まりです。

通常、日本では、この理論をランチェスター戦略と呼んでいます。

ランチェスター戦略の最大の特徴は、強者と弱者の戦い方の違いを提示しているところです。

強者の基本戦略は、

1.広域で総合戦を行なえ!
2.集団型の戦闘を展開せよ!
3.短期決戦で圧倒的な兵力で戦え!

一方、弱者の基本戦略は、

1.接近戦を行なえ!
2.一騎討ちの状況を作れ!
3.一点集中して攻撃せよ!

なんとなく、わかりますね。

強者の大企業が、弱者の中小企業と戦っても、必ず強者の大企業が勝つわけではありません。

また、ある市場では強者でも別の市場では弱者となります。

大企業、中小企業問わず、活用されている所以もそんなところにあります。

最近、ランチェスター戦略をモデルとした経営本が、たくさん書店に並んでおり、チョットしたブームでしょうか。

ご興味のある方は、一度お手にとってみてはいかがでしょうか。


posted by ネット田中 at 15:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 診断士のビジネス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック